新綱島検車区業務日誌

主に模型いじりの記録を、備忘録として。

【入線整備】ポポンデッタ製初入線。西武20000系を弄る

久しぶりの模型弄りです。

 

私は快速海峡ファンである以前に西武鉄道ファンであるのですが、それはおそらく母方の実家が西武池袋線沿線にあり、幼少の頃から頻繁に乗車していた縁からでしょう。「あのでんしゃにのればじいじやばあばのおうちにいける」という思いが、やがてその電車そのものへの好意になるのは、ごく自然な流れであったと思います。

西武20000系という電車を私が認識したのは小学校高学年の頃だったと思います。低学年の頃に既にデビューしていたはずですが、毎日乗っていたわけではないので、途中ですれ違ったとしても側面だけで6000系アルミ車と区別することはできなかったでしょう。雑誌か何かでその存在を初めて認識した時に「なんだこれ?」と思ったような記憶があります。

それまで西武線の通勤車といえば「黄色い電車」であり、たまに出会う「青い電車」は「地下鉄乗り入れ用の車両」という認識でしたので、地上線用ながら6000系同様の青帯を巻いたアルミ車体には衝撃を覚えたものです。そして同時に、これからの西武線は青色でやっていくのだろうと思いました。きっと当時の趣味者の誰もがそう思っていたことでしょう。

ところが、20000系の導入後にとある事件があり、紆余曲折を経てイメージアップのため後継の30000系は青と緑のグラデーションを採用したことは記憶に新しいところです。その後の40000系もそのカラーリングを採用しています。

 

f:id:hiruzen:20211026174405j:image

そんな、ある意味「時代の狭間」の証言者である20000系ですが、やはり地下鉄直通対応ではないこと、「西武=黄色」のイメージも拭えないこと、そして車両の絶対数もそれほどではない(多くはないが、希少でもない微妙さ加減)ことなどから非常に「地味」な存在で、長きに渡り鉄道模型のラインナップからは外され続けてきました。

しかしながら、昨年GREEN MAXとポポンデッタから相次いで製品化が発表され度肝を抜かれました。在籍する各形式がいずれかのメーカーから何らかの仕様がラインナップされるようになった今、その対象が20000系にまで及ぶのは時間の問題だったと思いますが、それが2社から発表されるとは思いもよらず、衝撃を覚えたものです。

たしかGMが昨年11月、ポポンが12月の発売予定であったと記憶していますが、遅れることおよそ10ヶ月、この度ようやくポポン製品の発売に至りました。

 

f:id:hiruzen:20211023200054j:image

GM製品も予定から多少遅れての発売でしたが、既に半年以上前に発売され、バリエーション展開も行われています。しかし私はGM製完成品の品質を疑問視していましたので当初からポポン製一択に絞って購入を検討していました。

購入したのは当然池袋線仕様。8両か10両かは悩みましたが、沿線でよく出会ったのは8両の方だったと思い8両セットを購入しています。まあ、予算の都合というのもあるのですが。

 

前置きが大変長くなり恐縮ですが、中を見ていきます。


f:id:hiruzen:20211023200102j:image

例の試運転台はまだメンテナンス中(という名の放置)なので、点灯試験はなし。GM製は所持していないため直接の比較はできませんが、全体的にGM製より出来が良いように思います。顔の造形は多少GMに軍配が上がりそうですが、こちらも良いレベルに仕上がっています。

特に側面の塗装品質は良さそうですし、足回りの再現度は確実にポポン製が上回っています。

また、細かいながらも重要なポイントとして、後期車のみに見られる独特な形状の連結器が再現されているのは素晴らしいと思います。


f:id:hiruzen:20211023200059j:image

連結面。パンタは成形色ではなくきちんと塗装されており、精密ながらそこそこ強度もあるようで良い出来だと思います。形状については私は語れるものがありませんが、よく出来ていると思います。

台車は少し造形が甘いような気もしますが許容範囲内です。車輪の側面がフラットになっているのは良いですね。


f:id:hiruzen:20211023200104j:image

さてさていつもの入線整備に入ります。台車は近年KATOやGM製などで主流のスナップオン式。メンテナンスが楽で良いですね。


f:id:hiruzen:20211023200112j:image

カプラーユニットが台車から着脱できる方式なので、TNカプラーに変えた後でも現状復帰が容易くなっています。


f:id:hiruzen:20211023200109j:image

ユニットはそのまま、カプラーだけをKATOカプラー(密連形)に交換しました。まあ、いつも通りのやつです。


f:id:hiruzen:20211023200107j:image

連結面間隔をチェック。5mm程度でしょうか。デフォルトのアーノルドカプラーより1.5mm程度狭くなっていると思います。


f:id:hiruzen:20211023200057j:image

話は逸れますが、このカプラーユニットの着脱部分がマイクロエース製のものとよく似ているように思ったので、マイクロ製品用のKATOカプラーアダプターが装着できないか試してみたのですが、微妙に寸法が合いませんでした。今後ここに合致する製品が発売されるのか、それとも単にTNカプラーから現状復帰できるようにしてあるだけなのか、今後の展開を楽しみにしています。

 

f:id:hiruzen:20211026234559j:image

ボディを外してみました。座席はしっかりとモケットの境目まで表現してあり好印象です。西武車特有の微妙な色合いの優先席モケットも良い感じです。

せっかくなので、室内灯をつけてあげることにします。たまたま手元にグランライトが10両分ありました。何かのために買ったものだったと思いますが、何につけるつもりだったか忘れてしまったので。


f:id:hiruzen:20211026234604j:image

TOMIX対応のスプリング式、ハンダ付けの要らないタイプです。スプリングを捻じ込みます。


f:id:hiruzen:20211026234607j:image

室内灯を必要な長さに切り取ります。この時に初めて気がつきましたが、ライトユニットが少々大きいので、客用第1扉付近はユニットに隠れてしまいますね。


f:id:hiruzen:20211026234602j:image

装着。プラ板は面倒なので使わずにLEDテープだけにしました。安定はしなかったので、後でガタつくようならやり直したいと思います。

 

さていつもであれば試運転モジュールで点灯確認と行きたいところですが、しばらく放置していたため線路の状況がよくありません。

 

f:id:hiruzen:20211028181133j:image

ということで、最寄りの某ポポンデッタにやってきました。私は勤め先の関係で少し厳しめの"対策"に身を置いているため、他の方との運転会は自粛中なのですが、近場の模型店・平日の閉店間際・個人で短時間と3拍子揃えればまあいいだろうということで、久しぶりのレンタルレイアウトと相成りました。30分足らずでしたが、まあ試運転にはちょうど良いだろうと。

ライトの点灯状況はご覧の通り。室内灯もよく点いています。ただ、どうもモーター車の通電が一部おかしいようで、室内灯は点くのですが動きません。動力台車のスプリングが1点欠けていたので、カプラー交換時に紛失させてしまったものと思います。これは再入場ですね……。


f:id:hiruzen:20211028181130j:image

試運転で異常を確認したために側線で留置される20000系を横目に、5000系レッドアローが軽快に通過します。もちろん時代は全く被っていない両者ですが、レッドアロークラシックのおかげか色合いにそれほど違和感のない並びです。

こちらのレッドアローも初走行。こちらはうまく動いてくれてひと安心です。

 

珍しく現役車両の入線となりました。今シーズンは西武車の入線が続きますが、現役車両はこれだけということで、相変わらず趣味の偏り方が酷いですが、よろしければ今後もお付き合いください。

ひとまず、今日はこれにて。