新綱島検車区業務日誌

主に模型いじりの記録を、備忘録として。

【入線報告】マイクロエース 西武001系Laview(ラビュー)入線!

お久しぶりです。

 

いろいろと個人的な都合が重なり、長らく模型弄りができていません。しかしこのままブログを放置していると模型弄りを再開する機会すら失ってしまいそうなので、ここらで一旦更新を挟み、自分に圧をかけていこうかと思います。

 

さて既に数ヶ月が経過してしまっていますが、今年の5月19日に西武001系「Laview」がマイクロエースから発売になっています。

これを入線させるか否かはかなり悩んでいまして、発売時は一旦購入を見送りました。幸いにも量販店がかなりの数を仕入れてくれていたようで、丸2ヶ月ほど悩んだ7月にも在庫が残っており、発売時よりも多少の値引きが行われていたことも相まってようやく購入に踏み切りました。

 

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マイクロエースが持てる技術の全てを投入した渾身の力作、まずその外見は実車の特徴を完璧に捉えています。

一度見たら忘れることのない印象的なフォルムは、宇宙船やら弾丸やら、はたまた座薬などとまで一部は呼ばれていましたが、この突飛な車両を構想し、さらに現実のものとしてしまった西武の車両開発陣には脱帽というほかありません。そして、それを1/150スケールで製品化してしまったマイクロエースの開発陣もまた然り。


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実車同様に8両入って、税込み定価がギリギリ4万円を切る程度の価格設定。なかなか高価な設定で、購入を即決できなかったのはこの値段によるところが大きかったのですが、後述する新機軸を思えばむしろかなり安い設定だろうと思います。

 

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記事執筆時点で、Laviewの実車には一度だけ乗車したことがあります。

以前記事にした「レッドアロークラシック」乗り収めの際、翌朝の出勤に間に合うよう始発の「むさし」に乗車したところです。

アルミのさらさら・すべすべとした車体に、大きな窓から見える黄色の座席が大変特徴的です。


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ここまで思い切って窓を広げた例はなかなかありません。落ち着かないかと思いきや、案外気にならないもので、この時は前日の疲れもあって池袋まで爆睡していたのですが、いつか天気の良い日に秩父まで乗ってみたいと思わせるには十分でした。


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側面を横から見るとこんな感じ。後の写真と見比べていただくと、この大きな窓が決して模型的な「オーバー」な表現でないことがわかります。


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さて模型です。印刷のマイクロエースといえどさすがに実車のすべすべした車体をそのまま再現とまではいかなかった模様ですが、各種標記がしっかりと入っていますので、個人的にはそこまで気になりません。


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先ほど取り上げたように、この車両の特徴は先頭部形状だけではなく、この大きな側窓もその一つ。真横から見れば座面がはっきりわかる位置にまで窓が来ています。足の「すね」のあたりまで外から見えてしまうのではないでしょうか。ある意味、ここの再現こそこの製品で最も力を入れられたところと言えるかもしれません。


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そう、「ただ窓が大きいだけ」といえど、Nゲージ製品としてこの車両を作る上では大変大きな課題となります。

この写真は、8両中1両が該当する「モーター車」です。車両の床下部分にモーターが収められているわけですが、実際には通常の車両であっても窓のすぐ下、ボディの淵あたりまでモーターの入った動力ユニットが占領してしまうところに、窓を下方向へ拡大すれば本来なら自ずと動力ユニットが丸見えになってしまいます。

ところが、何を思ったのかマイクロエース、なんとこのLaviewのために動力ユニットを新開発。ラビューの大窓でも動力ユニットが見えないような、超薄型の動力ユニットを開発してしまいました。


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少々意地悪な比較になりますが、同じく通常の車両より低いところに窓がある215系のモーター車と並べてみました。215系の方は1階席の窓が全て動力ユニットで埋まっている一方、Laviewでは全く見えていないことがわかります。

Laview最大の特徴ともいえる大きな窓を再現するにあたって、その窓から動力ユニットなどという「余計なもの」が見えないようにするために、動力ユニットそのものを新設計する……。なかなかできる判断ではありません。

もっとも、これによって今後の製品化の幅が広がるでしょうから、マイクロエースはさらに他社にないような製品の製品化を進めてくれるかもしれません。


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かくして、当区には歴代の西武特急車3形式が揃い踏みとなりました。

 

初代レッドアロー・5000系の開発の際、池袋〜秩父という短距離に有料特急は流行らないとされていたそうですが、当初4両編成で登場した5000系は登場から5年ではやくも6両化を実施、過渡期には6+4の10両編成まで運転されたと言われています。

 

5000系6両編成の定員は400人丁度。その後、10000系ニューレッドアローは7両編成で406人、001系Laviewは8両編成で422人と、車両数は5000系と001系の比較で2両も増えていながら、編成定員はほとんど増えていません。このLaviewが纏う前代未聞の外見からも、いかに秩父アクセス特急が期待されて生み出された存在かが察せられるというものです。

 

令和のこの不況の時代に、あえてバブリーなロマンを込めて生まれた001系Laview。実車・模型ともに、他車にない特別さを期待されて生み出されました。全ての関係者に、幸の多からんことを。