新綱島検車区業務日誌

主に模型いじりの記録を、備忘録として。

【入線整備】マイクロエース 西武4000系「52席の至福」(その1) 室内灯整備

今日の模型弄りです。

 

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52席の至福」という列車をご存知でしょうか。

いま、ローカル線の増収策の一環として、車内で食事を提供する「レストラン列車」を運行する事業者が増えています。これらはかつて特急・急行列車に当たり前に連結されていた「食堂車」とは違い、地域の名産や郷土料理を取り入れたり、高級レストランのシェフの監修を受けたりして、日常とは異なるワンランク上の体験を提供するものが多いようです。

52席の至福」は、昨今のレストラン列車ブームの中2016年から運転を開始した西武鉄道によるレストラン列車です。この手の列車は地方のローカル線で運行されることが多いのですが、この「52席の至福」は池袋や西武新宿など東京の都心部を発着する珍しいケースです。


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車両は西武4000系を改造した、4000系「52型」電車。各車両は飯能方1号車から順に春夏秋冬をイメージした装飾が施されています。


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2・4号車が客室車両、間の3号車がキッチン車両となっており、1号車はイベント用の多目的車両。通常の運行では1号車は使用されないため、4両中たった2両、「52席」のみが設けられた贅沢な列車です。


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模型としては昨年秋、マイクロエースから西武4000系(SIV車)と同時に発売されました。どちらも発売と同時に確保してありましたが、整備方法に悩み入線整備を後回しにしていました。今回はこの「52席の至福」に入線整備を施していきます。

 

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編成全景。背景がうるさくてすみません。

このように客室車両の2・4号車にはテーブルランプが再現されています。この再現のために、4000系では通常2号車に組まれる動力ユニットが3号車に移され、それに伴って床下パーツも専用のものが用意されています。

この製品、両数のわりにそこそこの値段がしたのですが、1両1両異なる装飾が綺麗に印刷されていることや、車内の再現、これらの設計変更などを考えれば納得できる価格でしょう。

 

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ただ、誰しもが気になってしまうこの前面が玉に瑕。マイクロエース「あるある」ですが、スカートの開口部が広すぎて間の抜けた顔になっています。

スカートそのものの解決は後に行うとして、とりあえずカプラーをTN化してみました。西武用に大量在庫させているJC6328です。TNカプラーと同寸法の爪を利用して取り付けると、いい具合の見た目になりました。

 

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連結面。かなり寄っていますが、これでも走行に支障ありません。さすがTNカプラーです。

前回の227系のように側面寄りに突起でもあれば別ですが、この車両のように丸まっていれば全然問題ないのがBMTNカプラーの強みですね。


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先頭がポン付けで済むことを確認したら、中間連結面のカプラー交換へ。いつも通り、従来方式のKATOカプラー密連型に交換します。


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相変わらず、モーター車は動力ユニットをバラさないと台車が外れません。


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マイクロ製品が入線するたびに動力をバラしている気がします。今回はカプラーを替えるだけ。


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交換完了したら元に戻します。


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ちなみに動力ユニットの蓋にはこのように室内形状が再現されています。キッチン車両でして、ここにモールドされている長いテーブルで料理が盛り付けられているようです。


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交換後の連結面。アーノルド時代とさほど変わりませんが、元からそこそこ短いのでこれで十分です。

と、ここまではいつも通り。

 

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この車両の目玉はなんといってもこのテーブルランプ。車内はこのようになっています。テーブルと窓割が合ってないのは実車通りです。

せっかくここまでやって頂いているわけですから、あれを装備させちゃいましょう。


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というわけで、こんなものを用意してみました。庄龍鉄道さんの「グランライト・プレミアム」です。サードパーティ製室内灯としては最もポピュラーかなと思います。


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中身はこんな感じ。ハンダ付け不要版のTOMIX対応品です。自力でハンダ付けできればもっと安く済むのですが、ハンダごてを所持していないのと面倒くさがりなのでこちらで。

当区車両に室内灯を組み込むのは、「レッドアロークラシック」に続きこれが2例目。

前回は“外注”したので、自分でやるのは初めてです。


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本来はスプリングをハンダ付けすべき部分が、このようにスプリングをねじ込むだけで済むようになっています。


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4号車はこのように車端部の窓が埋められている部分にスプリングが来るようになっていました。スプリングの位置を合わせ、不要な部分をカットします。

 

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なお、このグランライト「プレミアム」では照度切替ができます。このようにブリッジダイオードの脇に「H/L」スイッチがあり、これを切り替えることで光量を抑えることができます。


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というのも、室内が明るすぎてはせっかくのテーブルランプの存在感がなくなってしまうのではないかと危惧していました。手前がいま室内灯を「L」で取り付けたもの、奥が未取り付けのものです。よさそうですね。


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続いて3号車……。こちらは、スプリングの取付け位置が隠れるようにはなっていませんでした。しかもスプリング位置がだいぶ中央に寄っています。


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所定の位置に合わせて取り付けると、このように車端が暗くなってしまいました。一方、窓が埋められている部分は内部で煌々と光っているはずです。

これの解決方法は2通りほど考えているのですが、どちらもすぐにはできないのでひとまずこのまま……。


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順番にやって、こちらは1号車の多目的車両。やはり変なところにスプリングの穴が来ています。これも3号車と合わせて要改善といったところです。


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全車の取り付けが終わって点灯試験です。いかがでしょうか?


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暗くしてみました。

一番左だけ明るさが目立っていますが、これは例の照度スイッチを1号車だけ「H」にしてみたもの。実車も1号車はイベント利用を想定して明るくなっています。


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4号車を横から。この車両は「L」設定ですが、もう少し暗くてもいいかもしれません。

そして、左端の窓埋めがされている部分は光が透けてしまっていますね……。


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3号車。やはり右側の窓埋め部分が透けている一方、左側は窓があるにも関わらず暗くなってしまっています。スプリング穴の位置の関係なので一旦このままにしますが、資材調達でき次第改善を試ることにしましょう。

ただ室内灯を組み込むだけでだいぶ分量を使ってしまいました。長いので続きは次回に。

 

ひとまず、今日はこれにて。