【入線整備】マイクロエース 西武701系 旧塗装
今日の模型弄りです。
前回入線整備を行ったサロンカーなにわと同じ日に県内某所にて中古で購入した、マイクロエース製西武701系冷改赤電車です。
元々戦前〜戦後製の自動ブレーキ車と併結運転ができるように、カルダン駆動でありながら自動ブレーキ装備で登場した701系ですが、その後1970年代後半に冷房化した際に同時に電磁直通ブレーキ(HSC)に改造され、併せて誤連結対策と冷房車の宣伝効果を狙って塗装を黄色一色に塗り替えられました。
このうち、初期に改造した4連4本と6連2本は冷房化の際に赤電塗装のまま出場して約2年間使用されておりまして、今回購入した模型はこの仕様を再現したものです。相変わらずニッチなものを製品化するメーカーですね……。
それでは、さっそく当区水準で最低限の入線整備を施していきます。
入線整備といえばイコールでカプラー交換と言ってもいい程、なんだかカプラー交換ばかりやっている気がしますが、今回も負けじとカプラー交換です。
製品仕様は先頭がダミーカプラーで中間がアーノルドカプラーというオーソドックスな取り合わせです。ダミーカプラーといえば、連結機能を犠牲にする代わりにリアルな造形を……という代物のはずなんですが、なんでしょうねこれ。胴受けの寸法以外、擁護できる点がありません。連結の予定があってもなくても交換しましょう。
マイクロエースのダミーカプラーは、例外もありますがこのようにTNカプラーのものと同寸法の爪で取り付けられています。昔は公式にTNカプラーへの交換を案内していたようですが、自前でマイクロカプラーなる謎製品をラインナップしたため案内しなくなったようです。ただ、TN対応の旧製品への取付け互換性を考慮してか爪の寸法が変わらなかったので、逆に現行品であっても容易にTN化が可能になっています。
ボディと床板を取り外してサクッと交換しましょう。
TNカプラーはJC6324を使用します。
ところで、マイクロエース製の車両の多くには、こんなパーツが付属しています。どこかに説明が書いてあるわけでもなく、初めて買った時は何に使うのかさっぱりわからなかったのですが……。
これ、先端の丸いところにKATOカプラーのBタイプが無加工で取り付けられます。
台車をバラしてみると、アーノルドカプラーが外れて、この"KATOカプラーアダプター"に交換できるようになっていることがわかります。
自社製品に同様のパーツが無さそうなので、ほぼ確実にKATOカプラーのために付属させているようなのですが……。無案内で他社パーツの取付けアダプターを用意するとは、恐ろしいメーカーです。
ちなみに気になる連結面間隔ですが、比較画像を用意しました。
奥の黄色いのが、アダプターを使わずにアーノルドカプラーポケットへKATOカプラーのAタイプを取り付けたもの。
手前の赤電が、アダプターを使ってKATOカプラーのBタイプを取り付けたもの。
……はい、せっかくのアダプターですが、使わない方が若干ですがリアルになります。この残念さ加減が、マイクロエースですね。私は好きです。
ただし、ここにKATO製西武新101系(一番奥)を並べてみると、さほど遜色がないことがわかります。実際に走らせながらこの0.5ミリほどの差異を実感できるわけもないので、これで充分じゃないかなと。
最後に、交換前のアーノルドカプラーとKATOカプラーの比較を。1.5ミリほど間隔が縮まっているのがわかります。(まれに交換前の方が狭かったパターンがあるので要注意なんですよね)
さて、トレーラー車の交換はこれで済みましたので、モーター車に取り掛かろうと台車を外してみると……
でました、マイクロエースお馴染みの中華油がべったりです。
レールクリーナーに浸した綿棒で、中華油を拭き取ります。だいぶビチャビチャとやったので、翌日まで放置して乾燥させました。
はい、1日乾燥させたものがこちらになります。
ここでカプラーの交換を考えるのですが、よくみると動力台車の反対側に丸い突起が付いています。まさかと思いながらKATOカプラーを取り出してみると……
そのまさかでした。このメーカー、一体なにを考えているんでしょう。社外パーツの取り付けにここまで執念を持っているとは。
バラした動力台車を元どおりにしていきます。拭き取った中華油の代わりにグリスを多めに盛っておきます。
グリスは知人の薦めでタミヤの接点グリスを使用しています。他のを使ったことがないので比較はできませんが、少なくとも出荷時についてる油よりは良くなります。
組み立てたら、動力台車のギア部にユニクリーンオイルを垂らして完了です。
先に動力ユニットだけで走行状態を確認しまして、特に問題がなかったのでボディを組み付けました。
あ、言い忘れていましたが行き先はKATO西武101系のものを貼り付けています。幅の狭い種別札があるのが、手持ちだとそれだけだったので。
今回も無事出場と相成りました。
今回は動力を弄ったので、出場試運転付きです。
【出場試運転】
— ひるぜん (@yakigyuneshi) October 5, 2019
マイクロエース製西武701系(旧塗装)
冷改車がこの塗装を纏ったのは、ごく初期の数本が最長2年程度となかなかニッチな形態。相変わらずのマイクロさんやでぇ……
入線整備の際に同僚をバラしたので出場試運転を実施。快調です。 pic.twitter.com/flkkVisUj1
活躍期間が2年と短いので合わせられる車両が少ないですが、黄電との混結等いろいろ遊んでみたいものです。
ひとまず、今日はこれにて。