新綱島検車区業務日誌

主に模型いじりの記録を、備忘録として。

【受託整備】グリーンマックス 115系 パーツ取付けとTN化

今日の模型弄りです。

 

西武弄りの途中ですが、順番を変えてこちらを先に。

H氏車両の受託整備シリーズです。そろそろ何本弄ったか分からなくなってきました。

 

f:id:hiruzen:20210507070530j:image

当区では見慣れない、GMの車両ケースが鎮座しました。こちらの115系末期色(岡山D編成)が、基本増結ともに一時入線です。

 

f:id:hiruzen:20210507070952j:image

まずは電気系統の確認から。新品なだけあって動力・ライトともに良好です。GMのコアレスモーター車を手元で見たのは初めてですが、なるほど評判の通りの快適動作です。

今回の整備内容は先頭カプラーのTN化と付属パーツの取付けです。


f:id:hiruzen:20210507070616j:image

説明書にTNカプラーの取付け手順が記載されています。社外品パーツの取付けを公式に謳っているのは、キットメーカーならではですね。以前はマイクロエースもTN取付け可能と案内していました。


f:id:hiruzen:20210507070603j:image

案内にある通り、JC0349(0336)のジャンパ栓モールドを除去します。左がカットしたもの。


f:id:hiruzen:20210507070534j:image

ジャンパ栓はスカートの方にモールドされています。


f:id:hiruzen:20210507070621j:image

取り付けるとこうなります。左がTN取付け後、右はダミーカプラーです。前面の印象をあまり変えることなくTN化出来るのは良いですね。


f:id:hiruzen:20210507070558j:image

連結面間隔。良い感じです。


f:id:hiruzen:20210507070549j:image

続いて付属パーツを取り付けていきます。こちらは幌枠。ゴム系接着剤で貼り付けろとの指示です。

そういえば最近も幌枠をゴム系で貼り付ける作業をしていましたが、あちらも黄色い3扉車でした。


f:id:hiruzen:20210507070611j:image

幌枠装着後。男前になりましたね。


f:id:hiruzen:20210507070542j:image

屋根上のパーツも取り付けました。無線アンテナ、ホイッスル、信号炎管です。

ホイッスルは取付け中に紛失してしまい、予備もなかったのでTOMIXのものをゴム系で接着しました。バレてないバレてない……(クライアント氏もこのブログを読んでいるはずですが)


f:id:hiruzen:20210507070538j:image

避雷器とヒューズボックスも。それにしても各パーツの取付け穴がキツすぎで、カッターで削ってやらないと入りませんでした。そういうところですよGMさん……。


f:id:hiruzen:20210507070546j:image

クモハ前面のジャンパ線は、マッキーで黒く塗ってから取付けます。

f:id:hiruzen:20210507072451j:image

TOMIXやKATOの同様のパーツと比べると少し前に出っ張るようで、連結運転する時は連結部に使用しないよう注意書きがあります。

実際ちょっとギリギリで怖い感じがあったので、増結セット側には栓のみのパーツを使用することにします。実際、連結時はこのジャンパ線は連結相手の車両と繋がれているはずで、このように下向きには付いていません。

 

この後同様の施工を増結セットにも行なって整備完了です。記事執筆時点では未施工ですが、先行して記事にしてしまいました。

 

ひとまず、今日はこれにて。

 

後日追記:

 

f:id:hiruzen:20210508080027j:image

無事、基本付属両セットの施工を終了しました。信号炎管が曲がってるように見えるのは後で修正しておきます。

光漏れが若干あるようですが……これは内側塗装するしか対策はなさそうで、塗装設備のない当区では対応が難しいですね。残念ですが見送ります。

【小改造】KATO西武新101系を秩父鉄道直通仕様にする(その3)

前回の続きです。

 

前回はこちら: 

 

f:id:hiruzen:20210419120958j:image

前回行った座席表現ですが、うっかり優先席(シルバーシート)の色分けを忘れていました。

登場時の優先席はこのように1区画のみ、後に対向部を含めた2区画に拡大しているようです。拡大時期の特定には至らなかったので、この当時(1992〜97年頃)がどちらかは分かりませんが、ひとまず1区画のみ灰色に塗り替えてみました。

本当はもう少し緑がかった色なんですが、細かいことは気にしません。


f:id:hiruzen:20210419120950j:image

続いて方向幕を。ステッカーは銀河モデルのN-511を使用しました。4+4にした時に外側に来る車両には「快速急行 長瀞 野上・三峰口」を。本当は寄居時代がよかったのですが、ステッカーに行先が存在しませんでした。


f:id:hiruzen:20210419120938j:image

中間に入る側は、横瀬での分割後を考えて「普通 三峰口」に。そして秩鉄直通車のトレードマークである白電連再現のため、電連をガンダムカラーで白く塗ってみました。

毎度のことながら、行き先が入ると車両が生き生きとしてきますね。この瞬間が好きです。


f:id:hiruzen:20210419120945j:image

さてさて、ここで怪しげな工作に取り組みます。

evergreenという海外のメーカーさん(座礁した貨物船とは関係なさそうです)製のプラ棒です。タミヤのプラ棒の倍ほどの値段がしますが、タミヤだと店頭で見る限り1mmより小さいものは作ってないようなんですよね。


f:id:hiruzen:20210419120942j:image

このプラ棒は0.38mm×0.75mmという驚異の薄さ。車両と並べると小ささが一目瞭然です。棒というより、薄いプラ板を細く裂いたような印象。これを使ってみます。


f:id:hiruzen:20210419121003j:image

ゴム系接着剤と流し込み接着剤を併用しながら、どうにかコの字型に組んでみました。いつもながらサイズは適当です。


f:id:hiruzen:20210419120954j:image

グレーに塗って、カプラー周りに取り付けてみました。

なんだこれは? と思われる方も多いでしょう。こちらは秩父ATSを搭載した時に取り付けられた、ATS車上子プロテクターです。

実車画像がなかなかヒットしないのですが、1枚高画質の画像が見つかりましたのでリンクしておきます。

http://tekkenweb.sakura.ne.jp/railways/y2010/rseibu3107.html

こちらのページの一番下の画像にあるコレの再現のつもりです。

 

f:id:hiruzen:20210425021657j:image

両先頭車への取付けが完了しました。あとはインレタ類を貼り付けて完成です。


f:id:hiruzen:20210425021701j:image

銀河モデルのインレタ(N-953)を使用してみました。そのものズバリ、秩鉄直通編成ペアの車番(235F・237Fペア)が封入されていたので選択したものです。既に生産が終了し、市場在庫もほとんど無いようですが、大阪から中古品を通販で取り寄せました。


f:id:hiruzen:20210425021650j:image

ただ、予備がないため貼り損じた場合はGM製のインレタでバラ数字を並べることに。これはクハ1257の5以外とバラの3を並べたものです。ちょっとサイズがオーバーなのが気になりますが、銀河モデルのものをもう1枚探すのは骨が折れることでしょう。


f:id:hiruzen:20210425021653j:image

あとはシルバーシートのマークを。トレジャータウン製です。

この時期のシルバーシートの種類と位置が特定できなかったので、ひとまず登場時のものを参考にしました。登場当初は編成中奇数クハの1両のみにシルバーシート表記が付いていたようです。

 

これでようやく作業終了ですが、秩鉄直通編成は2編成連結で1ペアですので、すぐさま2編成目に取り掛かります。

今回は運転会でのお披露目が控えているということで、珍しく期限付きの模型弄りです。運転会まで1ヶ月というところで作業を開始し、ここまで2週間半かかっています。残り4両を1週間ほどで仕上げなければなりません。

 

f:id:hiruzen:20210425021831j:image

2本目を出してきました。テキパキと進めましょう。


f:id:hiruzen:20210425021828j:image

と思いきや、さっそく問題が。奇数側先頭車のドアに汚れがあったので拭き取っていたら、ドアの塗装まで剥がれてしまいました。塗装は苦手ですし、それを直している余裕はありません。


f:id:hiruzen:20210425021821j:image

一瞬途方に暮れたのですが、手元にはそもそも、未改造の種車が潤沢に(4連だけで3本)在庫しています。とりあえずこの車両は他の編成と交換することにしました。


f:id:hiruzen:20210425021824j:image

さらに、作業の関係で本来のセット構成とは異なる組成(基本セットと増結セットを入れ替え)にしたり、そもそも購入した種車(ジャンク)が床板を入れ替えられたりしていたので、ここでライトを他車から持ってくる必要が出てきました。


f:id:hiruzen:20210425021813j:image

取り出したるは現行品先頭車。部品取り用として以前から中古品を確保してあったものです。この車両のライトユニットを移植します。


f:id:hiruzen:20210425021809j:image

バラし。ライトユニット部の形状は異なりますが、ボディは内部形状まで完全に同一なので、容易に交換ができそうです。


f:id:hiruzen:20210425021817j:image

運転台部パーツを外しました。左が現行品、右が旧製品です。まずはこれらを入れ替えます。


f:id:hiruzen:20210425021806j:image

これで、「旧製品ボディ+現行品ライトユニット+現行品床下パーツ」の組み合わせで点灯化できました。右側がそれです。

左は再び予備車ボックスへ……。

 

f:id:hiruzen:20210425092845j:image

ささっと車番消去、側灯・ブレーキ制御器・妻面窓サッシ色差し、妻面幌枠取付け、方向幕ステッカー貼り付け、室内座席色入れと室内灯取付け、先頭カプラー交換とショートスカート・乗務員室ステップ取付けまで行い、点灯確認です。旧製品より明るく点灯しています。

台車は、旧製品のアーノルドタイプのものをKATOカプラーに交換した方が、現行品のKATOカプラーより連結面間隔が狭まるので、「先頭部=現行品(部品取り車)からカプラーを抜き取ったもの」「中間部=旧製品のアーノルドから交換したもの」という組み合わせで使用しています。カプラー部分以外は完全に同一なので、新旧混ぜても何も問題になりません。

一度行った作業の繰り返しということで、ここまで1時間半ほどで完了しました。

 

f:id:hiruzen:20210429014250j:image

続いてパンタ付きモハ、基本的に1本目の編成と作業内容は同じですが、こちらは動力が無い分作業が楽です。

前回パンタはTOMIXのPG16を使用しましたが、その後PT4212Sが手に入ったのでこちらはそれを使っています。PG16を付けた方も取り替えようかと思ったのですが、またもや寸法が合わなかったので諦めました。気になるようならそのうちボディごと取り替えてしまおうかと思います。


f:id:hiruzen:20210429014247j:image

穴あけが雑なので微妙に曲がってしまっています。もう少し丁寧にやればよかったのですが、タイムリミットを気にして作業を急ぎすぎてしまいました。反省……。

 

と、ここまでの作業が終わったところで、ブログ更新日が近づいてきました。今回完結予定でしたが、まだ少し作業が残っていますので、続きは来週に運転会の様子と合わせてお送りします。

 

ひとまず、今日はこれにて。

【小改造】KATO西武新101系を秩父鉄道直通仕様にする(その2)

前回の続きです。

 

前回はこちら

旧製品の西武新101系を秩父鉄道直通仕様もどきに弄っています。

 

f:id:hiruzen:20210410223352j:image

当区三例目の室内灯搭載車になってもらいましょう。今までレッドアロークラシック、52席の至福といった秩父方面の車両に付けてきたので、ひとまず秩父線に入る車両から取り付けを進める方針です。

室内灯はいつものグランライトプレミアム。今回はナチュラルホワイト色の、KATO車用にハンダ付けされてある製品を選びました。

室内灯のKATO車への搭載は初めて。折り曲げた銅板を床下に差し込むんですね。


f:id:hiruzen:20210410223403j:image

取り付けました。明るく点灯していますが、これでも光量は「Low」設定です。古い車両ですし、もう少し暗くてもいいのですが。


f:id:hiruzen:20210410223346j:image

それから、古い設計の車両なのでライトユニットが大きすぎてこの部分が光らず、かなり目立ってしまいます。私にはどうにもできないので諦めますが、古い車両に室内灯を取り付けるのにはいろいろと目を瞑らないといけない場所が出てくるわけですね。


f:id:hiruzen:20210410223359j:image

こちらも構造上どうしても仕方ない部分ですが、妻面窓を塞ぐように電極が立ち上がっています。せめて何か別の視線誘導を入れて誤魔化したいところです。

 

f:id:hiruzen:20210411115837j:image

パーツ箱を漁るとこんなものが出てきました。TOMIX24系用の幌枠です。これの突起を削って付けてみます。


f:id:hiruzen:20210410223355j:image

ゴム系接着剤で付けてみました。新101系は現行品でも幌が付いていません。カプラーが台車マウントなこともあって、連結面間隔が広く見えてしまう要因の一つになっていました。

ついでにアーノルドカプラーだった連結器をKATOカプラーに交換、窓サッシにシルバーのガンダムマーカーで色を付けてみました。

謎の白い板(電極支え?)も構造上無くて良さそうではあるんですが、切除すると電極がさらに目立ってしまいそうなのでそのままにします。

 

f:id:hiruzen:20210412073130j:image

そういえば、せっかく室内灯を入れたとなると気になってくるのが車内です。マイクロエース製品のレッドアローや52席の時は、優等列車だったこともあってそれなりに特徴的な作り込みがされていましたが、こちらは単なる通勤車。室内パーツもロングシート型の成型がなされているだけなので、外から見ると単に真っ白なだけです。


f:id:hiruzen:20210412073126j:image

というわけで、今後もいろいろと使えそうなので極細マッキーを何色か買ってきました。今回は茶色をシート部に塗ってみます。成果は後ほど。

 

続いて中間車。先にパンタ無しの偶数車モハにも同様の施工をしていきます。

 

f:id:hiruzen:20210411122141j:image

新101系の妻面は、常に同じ側に貫通扉が付いているのですが、ボディを外してみると貫通扉がない側に室内灯の電極支えが来ています。

電極を隠す上では貫通扉がある側に電極を持ってきたいところ。

座席パーツを前後逆に取り付けられないか試してみましたが、穴の位置が合わずに断念しました。加工してまでやることでもなさそうですし。


f:id:hiruzen:20210411122150j:image

そもそも電極支えなんていらないのです。支えのない側に差し込んでみました。


f:id:hiruzen:20210411122158j:image

無事点灯。

と、簡単に書いていますが、この間通電不良の解決に2時間ほど格闘することになりました。


f:id:hiruzen:20210411122155j:image

同様に窓サッシの色入れと幌取り付け。貫通扉はステンレスなので、扉自体にもシルバーで塗ってみました。ちょっと薄いですが、連結したらどうせ見えなくなる部分ですので、一瞬チラッと見える時に変でなければ良いのです。


f:id:hiruzen:20210411122145j:image

幌取り付け車同士の連結面、こうなりました。それでもまだ間隔が空いてるような気がしますが、やらないよりはだいぶ誤魔化せたんじゃないでしょうか。

 

f:id:hiruzen:20210416003242j:image

ちなみに座席の色塗りの有り無しを比較するとこんな感じです。やった方がメリハリがつくのは間違いなさそうです。

それから、お気づきになりましたでしょうか……。ドアに貼り付けてあるステッカーをインレタで表現しました。ジオマトリックス製のもので、以前に何かのついでに購入したものでした。

背景が白っぽいのでちょっとわかりにくいですが、幼少の頃、ドアの窓からこのステッカー越しに外を眺めていた経験があるので、ぜひ再現したいポイントでした。

 

f:id:hiruzen:20210417082843j:image

続いてモーター車を弄ります。動力ユニットの分解整備は前回実施したので、今回は外見の整備です。

まず屋根の上、避雷器?を白く塗ってみました。実車画像を見ると他にも白い機器があるのですが、ガンダムマーカーのペン先が届かなそうだったので諦めました。半端にやるよりはやらない方がよかったかもしれません。

さて屋根上といえばパンタグラフが片方ありません。製品指定のものも予備があるのですが、そういえば今回は秩父鉄道直通車を作っていたのでした。直通車はパンタ折りたたみ高さの関係で、種車のKP62Aと2000系のPT4320系パンタとで取り替えを行なっています。

 

f:id:hiruzen:20210417082847j:image

そのものズバリな製品は存在しないので近似品を探すことになります。ネット上を彷徨ってみると、一般的にはGMのPT42やTOMIXのPT4212Sで代用する場合が多いようですが、最寄りの模型店にPT4212Sの在庫がなかったので、さらに類似のPG16を買ってみました。

私のような素人目にはどれも同じに見えてしまいますので、ホーンの本数と骨組みの方向が合っていれば十分かなと思います。


f:id:hiruzen:20210417082831j:image

パンタ穴が違う形なので、現物合わせで穴あけを行いました。適当にやったので中心がズレてしまっています。ちゃんと寸法出して罫書くべきです。


f:id:hiruzen:20210417082817j:image

ともあれ取り付けは完了したので、次は車内へ。最近の製品と違って座席パーツがなく、電極が剥き出しになっています。


f:id:hiruzen:20210417082834j:image

ラベルシールを何枚か並べて埋めてみました。これに、カラーマッキーで座席表現を入れるとどうなるでしょうか。


f:id:hiruzen:20210417082822j:image

こうなりました。ちょっとチープ過ぎますが、他に方法も思いつかないのでこれで。もし目障りになったら剥がせばいいので気楽です。


f:id:hiruzen:20210417082826j:image

室内灯点灯。ベースが真っ白なシールなことと、床の高さが異なることから隣のT車とは少し違った発色になってしまっていますが、まあこれでよしとします。


f:id:hiruzen:20210417082839j:image

最後にもう1両のクハに同様の工作を行なって、1編成分の作業が同段階まで進みました。

内装工事が終わったので、最後に外装を整えたら整備完了となります。続きはまたも次回に持ち越し。

 

ひとまず、今日はこれにて。

【小改造】KATO西武新101系を秩父鉄道直通仕様にする(その1)

今日の模型弄りです。

 

1年半ほど前になりますが、西武新101系を一気に大量入線させたまま、何も弄ることなく「積み模型」となっていました。 

  

今回は、その一部を「秩父鉄道直通車」仕様っぽくしてみようという試みです。

 

f:id:hiruzen:20210409075239j:image

種車にするのは、前面シールも麗しいこの車輛。前オーナーの愛を感じます。

奥武蔵のHMと西武秩父行きの表示ということでこちらは西武線内運用ですが、もう少し足を伸ばして秩父鉄道に入れるようになってもらいましょう。


f:id:hiruzen:20210409075307j:image

まずは足回りの調整から。通電すると、一応動くことには動くのですがモーター車から「キュルキュル」という大きくて恐ろしい音がします。


f:id:hiruzen:20210409075220j:image

さっそくバラしていきましょう。旧製品だけにちょっと古めの作りです。


f:id:hiruzen:20210409075254j:image

台車を外しました。よくみるとシャフトやギア部に髪の毛のようなゴミがたくさん絡み付いています。


f:id:hiruzen:20210409075249j:image

うーん……。


f:id:hiruzen:20210409075317j:image

中の方まで。すごいですね。中古ジャンク品を買うとたまにこういう状態のものが紛れています。


f:id:hiruzen:20210409075225j:image

1時間ほど格闘して、1両分の動力台車からこれだけのゴミを除去できました。まだ奥の方に埃が詰まっているのと、黒い油汚れが気になります。


f:id:hiruzen:20210409075235j:image

というわけで超音波洗浄スイッチオン。洗浄液には無水エタノールを奢ります。


f:id:hiruzen:20210409075303j:image

洗浄して元通り組み立てると、まだキュルキュルという異音はしますが動き自体はスムーズになりました。

多めにユニクリーンオイルを注油してさらに往復運転させていたら、ある時を境にピタッと異音がしなくなりました。


f:id:hiruzen:20210409075258j:image

次は先頭車を。先程の無水エタノールが勿体無いので、先頭車の台車も超音波洗浄に投入してみました。

その間にボディの方を。


f:id:hiruzen:20210409075231j:image

車番が251編成のものなので改番しなければなりません。貼り付けは最後にやるとして、今のうちに剥がすだけ剥がしておきます。


f:id:hiruzen:20210409075244j:image

Mr.Colorの薄め液に浸した竹串の先で擦るとあっという間に剥がれました。まだうっすら残っていますが、経験上ここから完全に消去するのが意外と大変なことと、これに車番を貼ってしまえば目立たないことからこれでよしとします。位置合わせにも都合が良さそうです。


f:id:hiruzen:20210409075311j:image

台車を水揚げして組み立て。ヘッドライトも復活しました。この段階で、前オーナーこだわりの行先シールは剥がしてしまいました。

 

f:id:hiruzen:20210409080853j:image

さて、この車両は先頭がダミーカプラーなので連結できるようにしたいところですが、やはりせっかくならTNカプラーにしたいです。

おなじみ湾曲胴受のJC6328。時期的に、胴受が湾曲型に交換されていた頃と秩父鉄道直通改造がほぼ同時と思われるのでこちらを選択しました。


f:id:hiruzen:20210409080914j:image

床下はこうなっています。ひとまずTN側の取付け用突起を切除して平らにしてみました。これをそのまま貼り付けできれば楽なのですが……。


f:id:hiruzen:20210409080917j:image

両面テープで仮に貼り付けたところ。ちょっとカプラーとボディの隙間が大きすぎてカッコ悪いです。


f:id:hiruzen:20210409080830j:image

先人に倣って、意を決して床板を切断することにしました。カプラーをつけたい場所に線を引き、


f:id:hiruzen:20210409080904j:image

ざっくりと切り落としました。


f:id:hiruzen:20210409080910j:image

床板を切ると、今度はライトユニットの底が直上に見えるので、そこにTNカプラーを載せてみると……今度はちょっと、ボディに近すぎるようです。


f:id:hiruzen:20210409080859j:image

それならプラ板を挟んでみます。その辺にあったプラ板、おそらく0.5mm厚のものです。現物合わせですので寸法は知りません。


f:id:hiruzen:20210409080835j:image

そちらをスペーサーにしてみると、まあまあ良さそうな位置に収まりました。0.3mm厚でもよかったかもしれません。


f:id:hiruzen:20210409080825j:image

TNカプラーが付いたら、もう1つやりたいことがあります。

こちらは旧101系に付属するダミーカプラーですが、101系列の特徴的なスカート(保護板)と乗務員室ハシゴが再現されています。Assyパーツを以前から確保していたものでした。

これらをどうにかして新101系にも取り付けたい……。


f:id:hiruzen:20210409080844j:image

悩んだ末、スカートはスカートだけを切り出して直接ボディ裾に接着、ハシゴは台座を少し残して切り出し、こちらも接着。

いずれもゴム系接着剤を使いましたが、スカートは小さすぎてなかなか安定しなかったので、タミヤの流し込み接着剤を併用しました。

ちなみに先程のプラ板はマッキーで黒く塗りつぶしてあります。


f:id:hiruzen:20210409080848j:image

先頭部の加工が終わったところ。……暗くてよくわかりませんね。


f:id:hiruzen:20210409080840j:image

光を当てるとこうなります。ショートスカートと乗務員室ステップがついて、西武車らしさが出てきた感じがありますね。台車排障器を付けるかどうかは悩みどころです。今回は見送り。

これでも実はヘッドライトが点灯しているんです。暗すぎますが、元々昔は昼間はヘッドライトを消灯していたので、夜間に光って見えれば十分かもしれません。

このTN取付け加工に躊躇して、今まで手をつけずにいたのですが、実際にやってみたら大した加工ではありませんでした。レッドアロークラシックや52席の至福などの入線で西武方面のモチベーションが上がっていることもあるので、今後さらに西武101系の積み模型達の整備を進めていきたいところです。

 

何やら締めのようになってしまいましたが、まだ整備は続きます。長くなりましたので続きは次回に。

【机上研究】快速「海峡」の編成について(その6)

久しぶりの研究記事です。

 

f:id:hiruzen:20210406193949j:image

昨年より不定期で「快速海峡の編成について」と称し、かつて津軽海峡線で運行されていた快速「海峡」号の編成考察を行っています。

 

バックナンバーはこちら:

【机上研究】快速「海峡」の編成について(その1) - 新綱島検車区業務日誌
 その1は実車研究。牽引機であるED79形について。

【机上研究】快速「海峡」の編成について(その2) - 新綱島検車区業務日誌
 その2は使用客車である50系について。

【机上研究】快速「海峡」の編成について(その3) - 新綱島検車区業務日誌
 その3は50系の編成パターンの考察(1988年~1994年改正)です。

【机上研究】快速「海峡」の編成について(その4) - 新綱島検車区業務日誌
 その4は50系の編成パターンの考察(1997年~2002年改正)です。

【机上研究】快速「海峡」の編成について(その5) - 新綱島検車区業務日誌
 その5は『JR気動車客車編成表』に基づく補遺・俯瞰的な記事です。

 

「その6」となる今回は、快速「海峡」で使用されるもう1つの形式である14系について、実車の簡単な歴史を交えつつ、JR北海道車の変遷を簡単に概観します。

14系客車のプロフィール

f:id:hiruzen:20210406190538j:image

14系客車は1971年から1978年まで、当時の国鉄製造した特急形客車です。直前の1969年に登場した12系客車をベースに、12系と同様に編成内の一部車両に発電用エンジンを搭載し、サービス電源を客車で完結させることによって牽引機を選ばない広汎性が特徴です。座席車・寝台車の両方が製造され、これらは同一システムであったため混用が可能でしたが、登場当初は同一列車に両者が混結されることはほとんどなく、また外観の印象も大きくことなるものであったことから、それぞれ「14系寝台車」「14系座席車」として区別することが一般的です。

また、14系寝台車には製造時期によって14形と15形の2種類があり、製造時の寝台仕様が異なります。14系座席車にも形式に14と15の両方が使われていますが、座席車の場合は当初よりこの両方が設定されているため寝台車のようなグループ分けはされません。

  14形 15形
寝台車 14系14形 14系15形
座席車 14系座席車

14系寝台車の概要

f:id:hiruzen:20210406194054j:image

(画像はオハネ14改造の24系オハネ24)

14系寝台車の車種構成は、B寝台緩急車である「スハネフ14」を両端に配置し、その中間にB寝台車「オハネ14」か、もしくは必要に応じてA寝台車「オロネ14」または食堂車「オシ14」を連結します。緩急車「スハネフ14」の床下には発電エンジンと発電機を備え、自車を含め5両に電力を供給する能力を持っています。

15形の登場後は、14形のスハネフ14に相当するB寝台緩急車の「スハネフ15」と、オハネ14に相当するB寝台「オハネ15」が製造されました。14形と15形の主な相違点は、14形が3段式寝台であったのに対して15形では2段式とされたこと、車体側面の飾り帯を14形の白塗装帯かたステンレス無塗装帯に改めたことと、1972年に発生した北陸トンネル火災事故を受けて難燃化を強化、特に自動消火装置などが搭載されたことが挙げられます。火災対策についてはその後14形に対しても順次施工され、寝台の2段化も進められました。ですから趣味的にみて両者の相違点は、若干の定員や室内レイアウトの違いの他、目立つのは飾り帯が白か銀かというと、スハネフ車の乗務員室側(後位側)妻面が、14形で切妻だったものが15形では折妻に改められた点が挙げられるでしょうか。

いずれにせよ、製造時期の違いによる差異はあれど、これらは基本的に同一グループであり、時代が進むにつれて混用されるようになります。

14系座席車の概要

f:id:hiruzen:20210406194124j:image

(画像は500番代車)

 一方14系座席車の車種構成は寝台車以上にシンプルで、発電エンジン付き緩急車「スハフ14」と発電エンジン無し緩急車「オハフ15」、そして中間車の「オハ14」の3種のみが設定されました。ジョイフルトレインに改造されたものを除いてグリーン車も存在しません。寝台車グループと同様にこちらは「スハフ14」の床下に発電エンジンと発電機を搭載しますが、こちらは寝台車グループ(180kVA)より出力が強化(210kVA)されており、自車含め6両に電力を供給する能力をもっています。また、寝台車グループにはない「発電エンジン無し緩急車」であるオハフ15が設定されていますが、このような車種設定はベースとなった12系と同様です。12系は14系座席車の製造終了後も製造が続けられ、後期車ではオハフの設定を廃止してスハフのみとし故障時の冗長性を確保するよう改められましたが、14系はそれ以前に製造が打ち切られたため、スハフ(63両)とオハフ(53両)はほぼ同数が製造されています。

後年、ジョイフルトレインへの改造が増えてくると発電エンジン搭載車が不足するようになり、オハフ15にエンジンと発電機を搭載してスハフ14に改造する事例が出てきます。このような改造はスハフを多めに製造していた12系にはないもので、14系座席車の特色の一つと言えるでしょう。

14系500番代(北海道仕様車)の登場

f:id:hiruzen:20210406200816j:image

さて、牽引機を選ばずどの路線でも使用できた14系ですが、北海道向け車両の設定は寝台車・座席車ともに行われず、北海道仕様車の登場は1981年の改造車まで待たねばなりません。当時道内でさかんに設定されていた急行列車に使用される旧型客車が老朽化してくる一方、本州の14系には早くも余剰が発生していました。そのためそれらの余剰車に北海道向け耐寒耐雪改造を行ったものが14系500番代です。

雪に弱い折戸式の客用扉を引戸式に改め、暖房能力を強化、旧型客車との混用のためのSG(蒸気暖房)管を引き通しました。ブレーキに用いる制輪子を雪に強い鋳鉄製のものに取り替えるなど台車周りの改造のため、最高速度は110km/hから旧型客車と同じ95km/hにダウンしています。

改造によって消費電力が増したため、給電能力は自車含め4両までとされて発電エンジン搭載車の必要数が増える一方で、種車は発電エンジン搭載車の数が限られていたため、エンジン無しのオハフ15にエンジン搭載改造を行って所要両数を充足しています。

1981年より、まずは座席車の投入を開始して「ニセコ」や「大雪」など道内急行に用いられていた旧型座席車を置き換え、続いて1983年には寝台車を投入することで編成内の14系化を達成しています。とはいえ荷物車の設定はないため、国鉄末期に荷物車の設定が廃止されるまでは旧型車との混結が続けられていました。

JR化後は海峡線需要が逼迫したため、各線の急行廃止や特急格上げなどを行って座席車は快速「海峡」・急行「はまなす」向けに集中配備を行いました。一方で寝台車需要は年々減少し、一部車両が気動車連結対応改造を行ってキハ400やキハ183に挟まれて運用された他は、北斗星用に改造されて24系を名乗るようになります。一方で急行「はまなす」の寝台車増強のため、24系である「オハネフ25」から2両が発電エンジンを搭載して14系化され「スハネフ14」の550番代になりました。

最後の定期急行列車であった「はまなす」の廃止によって、北海道から青色の14系は消滅してしまいましたが、今も「SL冬の湿原号」用の14系座席車は元気に運用を続けているほか、「はまなす」用車両の一部は東武鉄道大井川鐵道に譲渡されています。少なくはなりましたが、もう少しだけ各地で活躍が見られそうです。

北海道の楽しい改造車たち

JR北海道所有の14系は前述の通り全車が改造車でありますが、道内の需要に合わせてさらに別形態へ改造された個性豊かな車両たちが存在します。

「ドリームカー」化改造

f:id:hiruzen:20210406201309j:image

1988年、札幌~釧路間で運転されていた夜行急行「まりも」の居住性向上のため、オハ14のうち5両(503・505・507・508・510)の座席をグリーン車用のリクライニングシートに交換し、指定席車として運用しました。同時に格安の「まりもドリームきっぷ」を発売したことで好調な利用を得て、1993年の特急化まで使用されました。

正式には「ドリームカー」ですが、車体に大きく「marimo」とペイントされていたこともあって、趣味者間ではこの時期のドリームカーを「まりもドリーム」と呼称して区別することもあります。

「まりも」運用から外れた後、同年5月頃からは「marimo」ペイントもそのままに急行「はまなす」・快速「海峡」の運用に充当されるようになり、「はまなす」廃止まで利用者に親しまれました。「marimo」は1995年頃まで残存していたことがわかっています。

気動車の一員になった14系

1988年の津軽海峡線開通後、利用が好調な急行「はまなす」・快速「海峡」用の車両を捻出するため、そして道内急行のスピードアップを図るため、JR北海道普通列車用のキハ40形気動車を高出力化・夜行列車対応化して「キハ400系」を登場させ、これによって14系客車による急行「利尻」を置き換えました。この際、寝台車は引き続き14系を用いる方針がとられたため、スハネフ14の3両(501・505・508)に対しては気動車用の引き通し関係の整備などを行い、外装塗色も連結相手のキハ400と同様のものに改め、1991年から気動車の一員として運用されるようになりました。

気動車の一員といっても自走できるわけではありません。急行「利尻」は稚内に到着すると折り返し整備を行って昼行の急行「宗谷」になりますが、「宗谷」に寝台車は不要なため一度南稚内まで回送し、スハネフ14は他の気動車に押されて車庫に入庫、あらためてキハだけで編成を組んで出庫させるという面倒な手法がとられています。

この“気動車化”改造はさらに続けられ、翌年1992年には「オホーツク」向けに、さらに1993年には「おおぞら」向けにそれぞれ追加改造され、こちらは連結相手をキハ183系として運用されるようになりました。この結果、改造対象はスハネフ14全車とオハネ14の3両に及びました。この時点でこの3両を除いた全てのオハネ14が24系化改造を行って北斗星用に転用されていたので、この改造により青い14系寝台車は北海道から全て消滅……したわけではありませんでした。

唯一の「はまなす」専用車

f:id:hiruzen:20210406201822j:image

津軽海峡線開通とともに運転を開始した青森~札幌間の夜行急行「はまなす」は、当初全車が14系座席車で運転されていましたが、両都市間の夜行移動需要は大きく、寝台車の連結が利用者から強く望まれていました。しかしこの頃は「北斗星」の増車・増便が急務であったことから、とうてい「はまなす」に寝台車をまわす余裕などなかったのです。

JR北海道は道内急行に使用していたオハネ14の連結数を徐々に減らし、捻出した車両に24系化改造を行って北斗星に投入していきました。そして必要数が出揃い、1991年に北斗星3往復全ての12両編成化が達成されると、北斗星用オハネの一部に14系連結対応化工事を行ってついに「はまなす」にB寝台車が1両連結されるようになったのです。これが1991年7月でした。

この時点での編成は、函館方から<スハフ-オハネ-<スハフ-オハ-オハ-オハ-オハ-スハフ>というもので、上りの青森到着後は函館方のスハフとオハネを切り離し、青森方座席車のみを昼間の快速「海峡」に使用しました。こうなると、切り離したスハフが勿体なく見えてくるもの。「海峡」がいくら混雑していても、このスハフを活用することは難しいわけであります。それなら、この部分も寝台車にしてしまいたくなります。

実際にそんな考えで作ったわけではないと思いますが、およそ半年後の1991年12月にオハネフ25形200番代2両に発電エンジンを搭載した「スハネフ14形550番代」が登場しました。「北斗星」のために車両を供出され続けてきた14系ですが、ここで一転して24系が14系に供出される事態になったのです。

なおここで「でも北斗星用車には余裕がなかったのでは?」という疑問が浮かびますが、実はこの直前の1991年9月に、それまでオハネフ25が連結されていた5号車に、オハネフに代わって乗務員室付きの“ソロ”車「オハネ25形550番代」が連結されるようになっていて、これによりオハネフが2両捻出できたというからくりです。このソロ車、実は車体新製車で、足回りの種車はオハ14。結局これも14系の“犠牲”によって実現していた、というオチなのでありました。

さてこのスハネフ14形550番代ですが、実は唯一の「はまなす専用車」です。というのも、「はまなす」に用いられる座席車は昼間に快速「海峡」に使われますし、寝台車のうち24系部分はいずれも「北斗星」と共用の車両です。昼間は青森に留置され、青森と札幌の往復だけに用いられるこのスハネフ14だけが、生まれてから引退まで正真正銘の「はまなす専用車」だった、ということは強く主張していきたいところです。

もはや伝説となった「はまなすカーペット」

f:id:hiruzen:20210406201913j:image

唯一の「はまなす専用車」がスハネフ14形550番代だと申しましたが、しかし一般的に(あくまで趣味者間での話ですが)「はまなすの改造車」と言って真っ先に思い浮かぶのは「カーペットカー」でしょう。1997年3月の改正から、普通指定席料金だけで横になれる車両として、「のびのびカーペット」の標記を携えて登場しました。先行して登場していたキハ57系の快速「ミッドナイト」用カーペットカーや、後に続いて登場した「海峡」用の「ゆったりカーペット」車とは異なり、定員を増やすため上下二段式のカーペットを設置。上段からも外が見えるように作られた独特の窓配置は、当時相当のインパクトをもって迎え入れられたはずです。

f:id:hiruzen:20210406201932j:image

車両定員はB寝台車(32名)よりも少ない25名。一般の簡易リクライニング車が充当される繁忙期の増結指定席車(64名)と比較すると、1人あたりで実に倍以上の空間を占有することになる非常に贅沢な車両で、年間を通じてほぼ満席だったと言われています。

知る人ぞ知る、もう1両あった「カーペットカー」

北海道の14系カーペットカーといえば、9割以上のファンが前述の「のびのびカーペット」を思い浮かべ、それ以外があるとは想像だにしないでしょう。しかしコアなファンはもう1両だけ存在した、無名の「カーペットカー」を追い求めてやまないのです。

1988年から恵比寿~白石間で運転された「カートレイン北海道」は、その運転形態の珍しさもあってか当初は人気を博したものの徐々に利用率が低下。運転側の手間も多いことから1997年に運転を終了し、「カートレインくしろ」に転用されました。その後1999年に運転区間を東青森~白石間に改めた「カートレインさっぽろ」が運転され、再び青函トンネルをカートレインが通過することになりましたが、この際に併結する乗客用の車両として用意されたのが“もう1両のカーペットカー”である「オハ14 513」です。

「カートレイン北海道」や「カートレインくしろ」では24系寝台車を連結していましたが、これを14系座席車にすることで価格を抑えるのが目的だったのでしょうか。利用が奮えば毎年運行するつもりだったのでしょうが、結果的にわずか8往復運転されただけで終了してしまいました。

その後は14系使用の団体列車や、快速「海峡」の50系運用の代走時などに連結されていた記録があります。団体向けの活用を模索したのか、「海峡」廃止に伴って同僚の多くが2002年に廃車になる中、この513は約1年ほど長生きして2003年10月31日付けで廃車になっています。いかんせん定期列車にほとんど使われなかったためか、はたまた他のカーペット車のような特徴的な外装を持たないためか、ほとんど記録に残っていないのが現状で、14系の詳説を謳う商業誌にすらその存在を見落とされるような有様です。最近までWikipediaにも記述されていなかったように記憶しています。

当時の記録をお持ちの方は、ぜひ何かの媒体に発表していただくか、当ブログに情報をお寄せいただけますと幸いです。

SG管が現役な「SL用改造車」

最後に取り上げるのは、1999年に当時の朝ドラとのタイアップで運行を開始した「SLすずらん号」用の改造車です。14系で「すずらん」といえば、国鉄時代に運転されていた室蘭本線の急行「すずらん」の臨時夜行便を連想しますが、こちらは留萌本線での運行。夏季は留萌本線の「SLすずらん号」、冬季は釧網本線の「SL冬の湿原号」で運用され、また2003年からは「SL函館大沼号」など函館地区のSL列車にも使用されましたが、「SLすずらん号」は2006年の運転をもって、「SL函館大沼号」は2014年の運行をもって終了。以降はほぼ「SL冬の湿原号」の専属車両として使用されています。

運転開始当時はまだ14系の数が逼迫していたことからスハフは1両しか用意されず、中間車を挟んだ反対側には車掌車ヨ3500が連結され、さらに旧型客車から改造した「カフェカー」のスハシ44が組み込まれる凸凹編成が特徴的でした。快速「海峡」の廃止によって余剰車が出たため2003年にスハフ14を1両追加改造し、以後は14系4両の中にカフェカーが入る5両編成として運転されています。

運行費用の増大やJR北海道の経営難により存続問題が取り沙汰されることもありましたが、2021年に内外装と機器類の全面改修が発表され、今後も引き続き「SL冬の湿原号」の運行が続けられることになりました。

14系主体の客車編成ですが、中間に旧型客車由来のカフェカーを1両連結する関係で、SG管を繋いで暖房用蒸気の引き通しが行われています。旧型客車や50系客車を使用してSL運行する事業者でSG管を使用する例は他にもありますが、12系以降の新系列客車のSG管を常用する例はこの「SL冬の湿原号」のみと思われ、非常に貴重な存在です。それ目当てにいつか訪問してみたいのですが、なかなかチャンスがなく残念でなりません。

 

さて、本当はこの記事で車両の転配や運用の変遷についても書くつもりでしたが、思いの外筆が乗ってしまいましたので、それは次にまわすことにいたします。この先、順調に進めば「その7」で14系運用数についてまとめ、「その8」でようやく14系快速海峡の組成についてまとめる予定です。

50系編成についても追加資料が集まりつつありますので、まだまだこのテーマで書き続けることになります。追加に追加を重ねており、今から読むには非常に読みにくいシリーズになってしまい心苦しく思いますが、少しでも皆様のお役に立てれば幸甚に存じます。

なお、いつも通り間違いのご指摘や補足情報、資料提供など頂けますと小躍りして喜びます。ぜひご協力いただければ幸いです。

 

ひとまず、今日はこれにて。

【入線報告】TOMIXあさかぜ東日本編成

今日の模型弄りです。

 

f:id:hiruzen:20210330100009j:image

TOMIXから「あさかぜ」東日本編成がリニューアル発売されました。

今回は簡単な内容チェックになります。

 

f:id:hiruzen:20210330100138j:image

2往復時代の「あさかぜ」はJR東日本と西日本がそれぞれ1往復ずつ担当しており、東日本は博多発着の1・4号担当でした。民営化とほぼ同じタイミングで編成のグレードアップ化が行われ、A寝台個室「シングルデラックス」、B寝台個室「デュエット」「カルテット」の連結と、編成内の食堂車及び開放B寝台車のリニューアルが行われています。その後博多発着列車廃車まで特に編成内容の変更は行われず、つまり東日本編成といえばこの編成だけを指すという認識でよさそうです。北斗星などと比べてシンプルで良いですね。

 

私は東海道方面のブルートレインについてはほとんど何も知らないので改めて勉強することになりました。この記事の公開当初、プチ研究的な物を載せていたのですが、やはり付け焼き刃の知識では粗が目立ってしまいましたので取り下げました。いずれちゃんと勉強し直してから出直したいと思います。

 

さて、24系使用の定期列車編成には、ざっくり以下の種類があるようです。

国鉄時代

・博多発着編成(食堂車・A寝台連結)
・博多発着編成末期(食堂車・シングルデラックス・カルテット連結)
・下関発着編成(食堂車なし、モノクラス)

JR東日本

・博多発着編成(食堂車、シングルデラックス・デュエット・カルテット連結)

JR西日本

・下関発着モノクラス編成(国鉄時代から変更なし)
・下関発着編成(シングルデラックス・ラウンジカー連結)

 

さらに、最後の下関発着ラウンジカー付き編成は、パンタ付きラウンジカーであるスハ25によるカニ無し13両編成と、パンタ無しラウンジカーのオハ25とカニを連結した14両編成の2パターンがあったようです。運行区間の全てが直流電化区間である下関発着ならではの編成ですが、スハ25に予備車がなかったためそんな運用になっていたようです。1998年に共通運用だった瀬戸が廃止(電車化)されてからはスハ25付き編成だけで足りるようになったため、カニ付き編成の運用が終了しています。また、末期は9両編成が基本で、繁忙期のみ最大13両編成に増結するようになっていました。

 

では、簡単にお勉強ができたところで模型に戻ります。

上述したように、今回の製品では民営化後の東日本編成が再現されており、「あさかぜ」用に国鉄時代末期に改造された以下の車両が含まれています。

・A寝台個室シングルデラックス(オロネ25 700)
・B寝台個室デュエット(スハネ25 700)
・B寝台個室カルテット(オハネ24 700)
・オリエント調食堂車(オシ24 704/705)

これら4両に、オハネフ2両とカニを加えた7両が基本セットとして設定、これらの車両を除いた7両が増結セットになっています。

増結セットはオハネ25とオハネフ25だけが含まれるシンプルな構成です。

 

f:id:hiruzen:20210330103728j:image

1両ずつ見ていきます。まずはオハネフ25 100。25形の設定に伴って狭くなった乗務員室寸法を見直すため切妻化、また寝台側窓寸法が見直され小窓になった番代区分です。

オハネフ25の中では最も多く製造されたグループですが、普段北斗星ばかり弄っているためこの車両が初めての入線になります。「あさかぜ」では1,8,14号車に連結されていました。

品川所属で「あさかぜ」「出雲」に使用された後、「あさかぜ」廃止後は尾久と青森に転出。尾久車は引き続き「出雲」に、青森車は主に「はくつる」に使用されました。「はくつる」廃止後はさらに一部が「日本海」「あけぼの」に使用され、臨時「あけぼの」廃止時にも2両が残存しているというなかなかしぶとい車両です。

青森時代に乗務員室窓の小型化改造が行われているそうなので、青森車として使う方は要注意ですね。

 

f:id:hiruzen:20210330105225j:image

続いてオリエント調食堂車、オシ24 700です。7号車に連結されていました。

食堂車のグレードアップはまず701〜703が「星空調」として登場して「あさかぜ」に運用された後、「オリエント調」の704,705が追加で用意されたことで「出雲」にもグレードアップ車が連結されるようになりました。

両者は一応共通運用とされていたようですが、両列車の食堂車を担当する運営会社が異なっていたこともあって極力「オリエント調」を「あさかぜ」に優先充当するように運用されていたようで、「星空調」が「あさかぜ」に使用される例はあっても「出雲」に「オリエント調」が使用される例はあまり多くなかったようです。

ただし東日本持ち「あさかぜ」廃止後は「出雲」用と共に尾久に転出し、数年間は5両とも車籍があったので、この頃に「出雲」への使用例があるのではないかと睨んでいます。


f:id:hiruzen:20210330105229j:image

正直何調と言われても私はよくわからないのですが、とりあえずデフォルトで赤いテーブルランプが光ります。いいですね。

 

f:id:hiruzen:20210330110355j:image

ミニロビー付き「デュエット」車スハネ25 700。「あさかぜ」用改造車のうちこの車両だけは1987年から連結を開始しています。

車端部にはミニロビーに加えてシャワー室も設置されていますが、同様にシャワー室付きミニロビーを備える「北斗星」北海道編成のスハネ25 500と比較すると、北斗星がソロ8室にミニロビーとシャワー室なのに対し、こちらはデュエット8室にミニロビーとシャワー室ということで、見るからにロビー部分の面積が狭いです。おそらくシャワー待ちスペースにしかならなかったのではないかと思いますし、北斗星がソロ車にミニロビーを設置したのはこの反省を踏まえてのことだったのかもしれません。

 

f:id:hiruzen:20210330111027j:image

お次はこちら、オロネ25 700です。北斗星に慣れた私からするととても違和感のある見た目をしているのですが、これでも外見はほぼ原形のままなんだそうで。

 

f:id:hiruzen:20210330111158j:image

反対側から見るとさらにその異質さが目立ちます。ずらりと並んだ小窓、その数14。さらに乗務員室窓が並びます。

これの正体はA寝台個室「シングルデラックス」。

元々24系24形であるオロネ24ではプルマン式の開放A寝台でしたが、25形の登場にあたり開放式では2段式B寝台との差別化が難しいことや置き換え対象の20系に個室車があったことから、オロネ25では当初から個室寝台として製造されました。700番代化改造と前後して1人用A寝台個室には「シングルデラックス」の名称が与えられています。改造車=シングルデラックスだと思っていたので、この辺の定義については良い勉強になりました。

 

f:id:hiruzen:20210330112025j:image

こちらはオハネ24 700。普通のオハネ24と変わらない外見をしていますが、こちらは4人用個室「カルテット」です。北斗星トワイライトエクスプレスにあるB寝台コンパートメントと同様、開放式B寝台車に壁と扉を取り付けただけの代物ですが、こちらはコンパートと違い「4人用」として部屋が販売されていました。通常の開放B寝台と同様に1人でも利用できたコンパートとは少し定義の異なる車両のようです。


f:id:hiruzen:20210330112019j:image

ところでこの小窓は何の窓でしょうか? オハネ24には新製当初からあるようですが、北斗星関係の車両では埋められているので、今まで存在を知りませんでした。

これ、乗務員室なんですね。オハネ25にはそもそも存在しない設備なのですが、オハネ24にはあったようです。

ブルトレ全般が好きな友人に尋ねてみたところ、「寝台の組立・解体要員が利用していたのではないか?」とのこと。そこで調べてみると24系が登場した1973年はまだ「車掌補」、かつての「列車ボーイ」の乗務が行われていた時代なので、やはりそういった職務の方が使用していたと見てよいでしょう。

なお車掌補はその後1676年に廃止。案内業務だけをベテランの「車掌(乗客案内)」に引き継ぎ、寝台の解体はセルフ化するか、下請け業者が必要に応じて乗り込む形に変わっています。この業者の方がその乗務員室を使うこともあったのかもしれません。

 

f:id:hiruzen:20210330114340j:image

もう1両オハネフ25がありますがそちらは省略することとして、最後にカニ24 100です。そもそもカニ24 100は、荷物室需要が旺盛な博多発着「あさかぜ」の24系化にあたって用意された区分なので、オロネ25と同様正真正銘の「あさかぜ」仕様車ということになります。もちろん業務用車両なので客室のグレードアップには関係ありませんが、寝台車に合わせて金帯化されており、民営化時点で品川所属だった車両はそこそこの両数が金帯になっていたようです。

 

さて、今回発売された車両について、自分の勉強を兼ねていろいろ調べながらまとめてみました。あさかぜは比較的バリエーションが少ないため、同じ編成内容で何度かリニューアルが行われています。

前回品と比較するとB寝台ハシゴ再現や一部車両のクーラー別体化などが行われましたが、全ての車両に行うわけにはいかなかったようで、クーラーが一体成形のものや帯モールドが残存している車両などがあります。

私はあまり細かい差異については気にしないのですが、気になる方のために仕様を書き出しておきます。

 

オハネフ:帯モールドあり、クーラー別体
カニ:帯モールドあり
オシ:帯モールドなし、クーラー別体
シングルデラックス:帯モールドあり、クーラー一体
デュエット:帯モールドなし、クーラー一体
カルテット:帯モールドなし、クーラー別体

なお実車がどうなっているかは存じ上げませんので詳しい方にお任せします。

 

と、長くなりましたが「あさかぜ」基本セットが入線しました。

東海道ブルトレ初入線になりましたが、勘の良い方は既にお気づきのように「あさかぜ」としては使わないつもりで入線させたものになります。増結セットも未購入です。

この先の整備はまたいずれ、役者が揃い次第進めていくことにしましょう。こうして仕掛品ばかりが山を築いていきます。

 

ひとまず、今日はこれにて。

【入線整備】マイクロエース 西武4000系「52席の至福」(その2) 遮光とスカート交換

前回の続きです。

 

前回はこちら。

 

 

引き続き西武4000系52席の至福」を整備していきます。

 

f:id:hiruzen:20210320013957j:image

まず、前回気になった、窓埋め部分の光漏れを解決させましょう。


f:id:hiruzen:20210320014004j:image

気になる部分にアセテートテープを貼りつけてみました。


f:id:hiruzen:20210320013954j:image

右は施工前、左が施工後です。まだほんの少し光が見えていますが、まあこのくらい塞げていれば十分でしょう。


f:id:hiruzen:20210320014000j:image

キッチン車両は片側がほぼ全面塞がれているので、テープもこのように全面に渡って貼り付けることに。窓のある側から覗くと、真っ黒なテープがよく見えます。

ただ、実車のこの部分は暗いシルバー系の内装(冷蔵庫や収納場所になっているようです?)です。テープの表面がザラザラとした処理になっていることもあり、これはこれで「こういう内装」と思い込むことができなくはないかなと……。

室内表現シールでもあれば良いのですが、さすがにマイナーすぎてどなたも作っていらっしゃらないようです。

 

f:id:hiruzen:20210321194047j:image

さて、室内についてはそれくらいにして、肝心のこの怪しげなスカートをどうにかしましょう。

 

f:id:hiruzen:20210320021428j:image

こんなものを買ってみました。永井上石神井車輛工場さんの2000系標準型スカート。おなじみDMM.makeで販売されている3Dプリンター出力品です。

4000系と2000系とでは形状が違いますが、いま入手できる品の中では一番近いかなと。

TNカプラーが組み込めるようになっているので、上手くすれば無加工で取り付けられるのではないかと期待しての購入でした。

 

f:id:hiruzen:20210320021435j:image

ひとまず久しぶりに出してきた超音波洗浄機で表面を洗浄しておきましょう。

 

f:id:hiruzen:20210320021432j:image

いろいろ試行します。TNカプラーJC25が組み込めるようになっています。

 

f:id:hiruzen:20210321004912j:image

こんな感じです。JC25は旧式の線バネタイプなのであまり前面に使わないようにしているのですが、構造が簡単なのでこのように一旦ばらした上で組み込めるようになっているパーツがあります。

ただ、この製品はGM2000系用ということで、やはりマイクロ4000系とはうまく噛み合いません。


f:id:hiruzen:20210321004918j:image

諦めてスカート部分だけ切り離して塗装することにしました。タミヤのTS-75(シャンパンゴールド)です。表面の研磨と塗装は弟に外注しました。


f:id:hiruzen:20210321004915j:image

Gクリヤーで接着してみました。交換前と比較するとだいぶ4000系らしい表情になったかと思います。

ただ実車のスカートは少し斜めになっているので調整……。


f:id:hiruzen:20210321004922j:image

こんな感じで、少し角度がつくように取り付け部を削って調整してみました。


f:id:hiruzen:20210321004908j:image

広角で見るとこんな感じ。私的にはこれで合格です。

 

f:id:hiruzen:20210327224340j:image

最後に前面方向幕シールを貼って終わりにしましょう。

何やら2種類あるようですが、実車の走行画像を見ると上の白いものが多いように見えたのでそちらを貼り付けました。

どう使い分けているのかご存知の方がいたら教えてください。


f:id:hiruzen:20210327224332j:image

こんな感じに。方向幕部分はHゴムの外側が光っちゃってますが、そこは諦めます。


f:id:hiruzen:20210327224336j:image

最後に、せっかくTNカプラーにしたので一般仕様車と連結。同時発売のSIV車ではなく、以前発売されたワンマン車8両セット(A-7393)のものです。

SIV車も同時に購入してあるので、いずれ整備したいところです。

 

西武好きを自称する私ですが、模型では現役の通勤車をほとんど所持しておらず、何故か4000系ばかり増えていきます。

10000系レッドアローが池袋線から撤退した今、4000系は秩父線で101系サウンドを聴ける唯一の車両になってしまいました。足回りはもちろん、車体もそろそろ老朽化してくる頃合いで、置き換え発表があっても仕方ない時期に来つつあります。

やはり西武車は乗ってこその西武なので、模型も大事にしつつ実車の乗車機会を大切にしていきたい所存です。

 

ひとまず、今日はこれにて。