新綱島検車区業務日誌

主に模型いじりの記録を、備忘録として。

【入線報告】TOMIXあさかぜ東日本編成

今日の模型弄りです。

 

f:id:hiruzen:20210330100009j:image

TOMIXから「あさかぜ」東日本編成がリニューアル発売されました。

今回は簡単な内容チェックになります。

 

f:id:hiruzen:20210330100138j:image

2往復時代の「あさかぜ」はJR東日本と西日本がそれぞれ1往復ずつ担当しており、東日本は博多発着の1・4号担当でした。民営化とほぼ同じタイミングで編成のグレードアップが行われ、A寝台個室「シングルデラックス」、B寝台個室「デュエット」「カルテット」の連結と、編成内の食堂車及び開放B寝台車のリニューアルが行われています。その後博多発着列車廃止まで特に編成内容の変更は行われず、つまり東日本編成といえばこの編成だけを指すという認識でよさそうです。北斗星などと比べてシンプルで良いですね。

 

私は東海道方面のブルートレインについてはほとんど何も知らないので改めて勉強することになりました。この記事の公開当初、プチ研究的な物を載せていたのですが、やはり付け焼き刃の知識では粗が目立ってしまいましたので取り下げました。いずれちゃんと勉強し直してから出直したいと思います。

 

さて、24系使用の定期列車編成には、ざっくり以下の種類があるようです。

国鉄時代

・博多発着編成(食堂車・A寝台連結)
・博多発着編成末期(食堂車・シングルデラックス・カルテット連結)
・下関発着編成(食堂車なし、モノクラス)

JR東日本

・博多発着編成(食堂車、シングルデラックス・デュエット・カルテット連結)

JR西日本

・下関発着モノクラス編成(国鉄時代から変更なし)
・下関発着編成(シングルデラックス・ラウンジカー連結)

 

さらに、最後の下関発着ラウンジカー付き編成は、パンタ付きラウンジカーであるスハ25によるカニ無し13両編成と、パンタ無しラウンジカーのオハ25とカニを連結した14両編成の2パターンがあったようです。運行区間の全てが直流電化区間である下関発着ならではの編成ですが、スハ25に予備車がなかったためそんな運用になっていたようです。1998年に共通運用だった瀬戸が廃止(電車化)されてからはスハ25付き編成だけで足りるようになったため、カニ付き編成の運用が終了しています。また、末期は9両編成が基本で、繁忙期のみ最大13両編成に増結するようになっていました。

 

では、簡単にお勉強ができたところで模型に戻ります。

上述したように、今回の製品では民営化後の東日本編成が再現されており、「あさかぜ」用に国鉄時代末期に改造された以下の車両が含まれています。

・A寝台個室シングルデラックス(オロネ25 700)
・B寝台個室デュエット(スハネ25 700)
・B寝台個室カルテット(オハネ24 700)
・オリエント調食堂車(オシ24 704/705)

これら4両に、オハネフ2両とカニを加えた7両が基本セットとして設定、これらの車両を除いた7両が増結セットになっています。

増結セットはオハネ25とオハネフ25だけが含まれるシンプルな構成です。

 

f:id:hiruzen:20210330103728j:image

1両ずつ見ていきます。まずはオハネフ25 100。25形の設定に伴って狭くなった乗務員室寸法を見直すため切妻化、また寝台側窓寸法が見直され小窓になった番代区分です。

オハネフ25の中では最も多く製造されたグループですが、普段北斗星ばかり弄っているためこの車両が初めての入線になります。「あさかぜ」では1,8,14号車に連結されていました。

品川所属で「あさかぜ」「出雲」に使用された後、「あさかぜ」廃止後は尾久と青森に転出。尾久車は引き続き「出雲」に、青森車は主に「はくつる」に使用されました。「はくつる」廃止後はさらに一部が「日本海」「あけぼの」に使用され、臨時「あけぼの」廃止時にも2両が残存しているというなかなかしぶとい車両です。

青森時代に乗務員室窓の小型化改造が行われているそうなので、青森車として使う方は要注意ですね。

 

f:id:hiruzen:20210330105225j:image

続いてオリエント調食堂車、オシ24 700です。7号車に連結されていました。

食堂車のグレードアップはまず701〜703が「星空調」として登場して「あさかぜ」に運用された後、「オリエント調」の704,705が追加で用意されたことで「出雲」にもグレードアップ車が連結されるようになりました。

両者は一応共通運用とされていたようですが、両列車の食堂車を担当する運営会社が異なっていたこともあって極力「オリエント調」を「あさかぜ」に優先充当するように運用されていたようで、「星空調」が「あさかぜ」に使用される例はあっても「出雲」に「オリエント調」が使用される例はあまり多くなかったようです。

ただし東日本持ち「あさかぜ」廃止後は「出雲」用と共に尾久に転出し、数年間は5両とも車籍があったので、この頃に「出雲」への使用例があるのではないかと睨んでいます。


f:id:hiruzen:20210330105229j:image

正直何調と言われても私はよくわからないのですが、とりあえずデフォルトで赤いテーブルランプが光ります。いいですね。

 

f:id:hiruzen:20210330110355j:image

ミニロビー付き「デュエット」車スハネ25 700。「あさかぜ」用改造車のうちこの車両だけは1987年から連結を開始しています。

車端部にはミニロビーに加えてシャワー室も設置されていますが、同様にシャワー室付きミニロビーを備える「北斗星」北海道編成のスハネ25 500と比較すると、北斗星がソロ8室にミニロビーとシャワー室なのに対し、こちらはデュエット8室にミニロビーとシャワー室ということで、見るからにロビー部分の面積が狭いです。おそらくシャワー待ちスペースにしかならなかったのではないかと思いますし、北斗星がソロ車にミニロビーを設置したのはこの反省を踏まえてのことだったのかもしれません。

 

f:id:hiruzen:20210330111027j:image

お次はこちら、オロネ25 700です。北斗星に慣れた私からするととても違和感のある見た目をしているのですが、これでも外見はほぼ原形のままなんだそうで。

 

f:id:hiruzen:20210330111158j:image

反対側から見るとさらにその異質さが目立ちます。ずらりと並んだ小窓、その数14。さらに乗務員室窓が並びます。

これの正体はA寝台個室「シングルデラックス」。

元々24系24形であるオロネ24ではプルマン式の開放A寝台でしたが、25形の登場にあたり開放式では2段式B寝台との差別化が難しいことや置き換え対象の20系に個室車があったことから、オロネ25では当初から個室寝台として製造されました。700番代化改造と前後して1人用A寝台個室には「シングルデラックス」の名称が与えられています。改造車=シングルデラックスだと思っていたので、この辺の定義については良い勉強になりました。

 

f:id:hiruzen:20210330112025j:image

こちらはオハネ24 700。普通のオハネ24と変わらない外見をしていますが、こちらは4人用個室「カルテット」です。北斗星トワイライトエクスプレスにあるB寝台コンパートメントと同様、開放式B寝台車に壁と扉を取り付けただけの代物ですが、こちらはコンパートと違い「4人用」として部屋が販売されていました。通常の開放B寝台と同様に1人でも利用できたコンパートとは少し定義の異なる車両のようです。


f:id:hiruzen:20210330112019j:image

ところでこの小窓は何の窓でしょうか? オハネ24には新製当初からあるようですが、北斗星関係の車両では埋められているので、今まで存在を知りませんでした。

これ、乗務員室なんですね。オハネ25にはそもそも存在しない設備なのですが、オハネ24にはあったようです。

ブルトレ全般が好きな友人に尋ねてみたところ、「寝台の組立・解体要員が利用していたのではないか?」とのこと。そこで調べてみると24系が登場した1973年はまだ「車掌補」、かつての「列車ボーイ」の乗務が行われていた時代なので、やはりそういった職務の方が使用していたと見てよいでしょう。

なお車掌補はその後1676年に廃止。案内業務だけをベテランの「車掌(乗客案内)」に引き継ぎ、寝台の解体はセルフ化するか、下請け業者が必要に応じて乗り込む形に変わっています。この業者の方がその乗務員室を使うこともあったのかもしれません。

 

f:id:hiruzen:20210330114340j:image

もう1両オハネフ25がありますがそちらは省略することとして、最後にカニ24 100です。そもそもカニ24 100は、荷物室需要が旺盛な博多発着「あさかぜ」の24系化にあたって用意された区分なので、オロネ25と同様正真正銘の「あさかぜ」仕様車ということになります。もちろん業務用車両なので客室のグレードアップには関係ありませんが、寝台車に合わせて金帯化されており、民営化時点で品川所属だった車両はそこそこの両数が金帯になっていたようです。

 

さて、今回発売された車両について、自分の勉強を兼ねていろいろ調べながらまとめてみました。あさかぜは比較的バリエーションが少ないため、同じ編成内容で何度かリニューアルが行われています。

前回品と比較するとB寝台ハシゴ再現や一部車両のクーラー別体化などが行われましたが、全ての車両に行うわけにはいかなかったようで、クーラーが一体成形のものや帯モールドが残存している車両などがあります。

私はあまり細かい差異については気にしないのですが、気になる方のために仕様を書き出しておきます。

 

オハネフ:帯モールドあり、クーラー別体
カニ:帯モールドあり
オシ:帯モールドなし、クーラー別体
シングルデラックス:帯モールドあり、クーラー一体
デュエット:帯モールドなし、クーラー一体
カルテット:帯モールドなし、クーラー別体

なお実車がどうなっているかは存じ上げませんので詳しい方にお任せします。

 

と、長くなりましたが「あさかぜ」基本セットが入線しました。

東海道ブルトレ初入線になりましたが、勘の良い方は既にお気づきのように「あさかぜ」としては使わないつもりで入線させたものになります。増結セットも未購入です。

この先の整備はまたいずれ、役者が揃い次第進めていくことにしましょう。こうして仕掛品ばかりが山を築いていきます。

 

ひとまず、今日はこれにて。