新綱島検車区業務日誌

主に模型いじりの記録を、備忘録として。

【旅行記】初訪台で普快車に乗る(その3)

前回の続きです。2018年の台湾旅行記、最終回です。

 

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翌朝、再び高雄駅へ。昨日ちゃんと撮らなかった仮駅舎、今はおそらく既に解体されたものと思います。


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地下化工事の真っ只中ということで、もう少し地上駅を見学しておくべきだったのですが、昨晩は疲れていてそれどころではなく、この日は台鐵に乗らないのでその機会は失われました。


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この日は新幹線(高鐵)で一気に台北に戻る予定で、前日の疲れもあって朝はかなりのんびりした出発でした。

高鐵は台鐵の高雄駅から少し離れた左營(Zuoying)駅から出ています。

高雄から左營までは台鐵でも行けますが、いろんな鉄道に乗っておきたいのでここは地下鉄(高雄捷運)で行きます。


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みなみおかやま、ではありません。

二月台というのは五月台(さつきだい)の親戚ではなく、2番線という意味。


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左營に着くと、巨大なJR東日本の広告が目に入りました。


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羽田・成田からのアクセスが記載されていますが、意地でも京急・京成に乗せまいという意志が感じられます。

路線図がそこそこ正確なのに、東京タワーとスカイツリーのイラストの位置がめちゃくちゃなのが面白いです。


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高鐵の左營駅です。隣接する台鐵の駅名は新左營となっていて、台鐵の左營駅はまた別のところにあるというのがややこしいですね。日本でいえば新大阪駅の新幹線のりばだけが「大阪駅」になっている感じでしょうか。


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高雄駅周辺の連続地下化事業のPRコーナーがあり、完成後予想をモデルにした精密な模型が展示されていました。


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今はこの模型の姿にだいぶ近づいているのではないかと思います。再訪したいですね。


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台鐵側の施設です。商業施設が多数入っていて、高雄駅より栄えている感じでした。入りませんでしたが、見慣れた店名が……。


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源吉兆庵も。

台湾の人で日本語を話せる人は、日本統治時代を経験されたお年寄りを除けばそれほど多くないそうですが、一方でひらがなやカタカナがわかる人は結構多いらしく、日本の店名や品名がそのままひらがな表記される例を結構見かけました。

なんでも漢字に直してしまう中国とは対照的です。


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何やら行列が出来ているので見にいってみると、駅弁屋でした。そう、あの有名な台鐵便当です。発車時刻が近づいてきていたので、ここで便当を買ってホームに下りることにしました。

余談ですが、台湾では当時からレジ袋が有料だったので、必ず袋が必要か聞かれます。要らなければ不要(Bùyào)と答えるように、という内容のネットの記事を読んでいたのでその通りにしたのですが、少し変な顔をされたので発音がおかしかったかな?とその時は思いました。

日本に戻ってから、中国・台湾と日本のバイリンガル(トライリンガル?)の人のYouTubeを見ていたら、不要より不用了(Bùyòngle)の方が口調が柔らかいというお話だったので、次回訪台した時に実践してみたいと思います。


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さてさてホームに降りました。日本製の700T型新幹線がずらりと並んでいます。11:55発の124次列車です。

ちなみにこの切符を買う時は、実践も兼ねて窓口でやりとりしてみました。「你好,124次,到台北,3个人」……我ながら酷いカタコトですが、無事に通じました。


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発車したらさっそくお弁当タイム。高雄地域の掛け紙ということ南迴線あたりの景色が描かれていました。60元、日本円で240円くらいです。


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中身はこんな感じ。

この台鐵便当はかつて台湾全土の主要駅で売られていたものが一旦終売となった際、復活を望む声が大きかったことから近年販売を再開したという経緯があるそうで、その人気度合いは駅弁屋の行列を見れば明らかでした。何より安いですし、日本人にも合う甘辛のお肉はとても美味しかったです。

 

写真は飛んで台北に。駅名標の写真すら撮っていないのですが、同行の母と弟は既に慣れない異国の地で移動ばかりしていてかなり疲労しているようだったので、余計なことはせず、さっさとホテルにチェックインしてしまうことにしていました。

 

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チェックインしてびっくり。高額なために参加を断念し自力手配に切り替えた、この日参加するライブの公式ツアーと同じホテルでした。たしかに母と弟のために安宿ではなくそれなりに日本人が泊まりそうなビジネスホテルを探して予約しましたが、まさか被るとは……。

とはいえ、十数万かけてやってきて泊まるホテルではないです。


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さて、ホテルに荷物と母と弟を置いて、私はライブ鑑賞に参ります。

ここは桃園空港メトロ(桃園機場捷運)の體育大學(Tǐyù Dàxué)駅。大学が保有するホールが会場みたいです。


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私の好きなアーティスト、水樹奈々さんのライブです。このためにわざわざ台湾まで来てしまいました。

ライブの内容は既にさまざまな方がレポートしていらっしゃるので割愛。

 

翌朝。

初訪台した日本人の97%くらいが行くであろう台湾有数の観光名所、九份に行きます。


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捷運で松山駅に来ると、何やらPRコーナーが。


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松山繋がりということで、ここではJR四国とタイアップしているみたいです。

床には四国と台湾の路線図が。しっかり下灘駅が入っているのはさすがですね。


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松山にも駅弁売り場が。客車を模した店舗でなかなか凝っています。この時は買いませんでした。


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そういえば京急ともタイアップしていましたね。


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ホームに降りると、今度はスペーシア色の自強號が。台鐵さん、タイアップしすぎじゃないでしょうか。


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九份の最寄駅は瑞芳(Ruìfāng)駅です。それほど遠い駅でもないのですが、直近で日本製の特急「普悠瑪」があったのでせっかくならと窓口に買いに行ったのですが、残念ながら「没有(売り切れ)」と言われてしまいました。普悠瑪は全席指定なので、諦めて普通列車で。

写真は乗ってきた列車を瑞芳で撮ったもの。韓国製のEMU500型です。


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瑞芳駅は支線の深澳線が分岐することもあってか、しっかりとした佇まいの駅舎です。ただ構内は思ったよりも狭く、同じ列車で到着した観光客でひしめき合っていました。


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バスで山道を登ること20分ほどで九份に到着。なかなかアクロバティックな走行で、車酔いの激しい私はあまり長時間乗っていたくありませんね。

入り口すぐのところにセブンイレブンがあるのはもう時代の流れで仕方ないのでしょうか。


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断崖に取り付く商店街を抜けると見晴らしの良い場所に出ました。人が多すぎるところを除けば良いところです。


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さて九份といえば、日本では「千と千尋の神隠し」の舞台に“似ている”ことで有名です。舞台のモチーフになっている説は残念ながら公式に否定されていますが、なるほど確かに雰囲気は似ています。


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特にこことか。ここに見えているお店がいい雰囲気なんですよね。


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阿妹茶樓という、これまたここに来た日本人の8割が入る気がするお茶屋さんです。せっかくなので入ってみました。

初っ端から日本語で案内されます。価格帯も高いので、台湾人はわざわざ来ないのでしょう。


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疲れもあってかだいぶのんびりしていました。

ところで帰りの飛行機は桃園20:40発。時間も読めないので夕飯は空港で済ます予定だったのですが、結局夕方まで九份にいました。

 

九份には台北方面へのバスが次々にやってきますが、私は車酔いが怖いので行きと同じく瑞芳から台鐵に乗ります。車酔いも怖いですが、台湾のバスの運転が怖いんですよね……。


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やってきた莒光號に乗りましたが、だいぶ混んでいて立ち席だったので、本数が増えそうな七堵(Qīdǔ)駅で一旦降りました。


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乗ってきた莒光號を見送ってびっくり。荷物車がついています。


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よく莒光號は日本の急行に相当する列車だと説明されますが、まさかここまで日本の国鉄急行の趣きがあるとは思いませんでした。今度は莒光號目当てに訪台したいですね。


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日本製振り子特急の「太魯閣」が通過。弟はこれに乗りたかったようですが、おそらく花蓮帰りらしき行楽客で満員でした。


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基隆始発の區間車が来たのでこれで帰ります。これも日本製のEMU800型です。ロングシートですが、新型とあってさすがに快適でした。


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帰りは台北で下車。向かいのホームに復興號らしき客車列車がいました。いろいろ気になるところですが、また今度。


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桃園空港へは桃園機場捷運で。ですがその前に、実は士林夜市で夕食にしていました。碌な写真を撮っていないのでスルーですが……。

なんでそんな時間的余裕があったかといえば、これ。実は台風接近のために、日本方面の飛行機の時間がめちゃくちゃになっていたのでした。20:40発のPeachが深夜2:30発予定となっているのがわかります。


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ベンチで仮眠など取りながら、深夜の桃園空港を後にしました。

羽田着は5:30頃で、実質夜行便ですね。結局移動に疲れてばかりの旅行になりましたが、まあこれはこれで良い思い出になりました。

 

そもそも海外旅行などほとんどしたことのない私が意を決して国境を越えた旅行でしたが、怪しい中国語と怪しい英語に怪しい日本語を駆使すればなんとなく通じることがわかったので、今後また海外旅行に行ける時代が来れば、ぜひ再訪したいと思います。

 

そんなわけで、模型弄りのネタ切れのために挿入した旅行記は以上で終了です。模型ブログなので需要はなかったと思いますが、お付き合いいただいた方はどうもありがとうございました。

なお3週間も稼いだわりに模型ネタのストックは未だにできていませんので、悪しからず……。