【入線整備】ひたちなか海浜鉄道キハ205
今日の模型弄りです。
常磐線の勝田駅を起点として海岸沿いの那珂湊、阿字ヶ浦へ伸びるひたちなか海浜鉄道。路線図で見るとあまり目立たない地味な路線ですが、かつては多くの海水浴客を乗せ、今もネモフィラの栽培などで知られるひたち海浜公園へのアクセスとして、シーズンには多くの観光客で賑わいます。
このひたちなか海浜鉄道、茨城交通時代に導入した旧国鉄のキハ20系列が多数使われていたことでも知られていますが、数年前にJR東海及び東海交通事業からキハ11形を譲受して置き換えを推進したため、現在ではキハ20形1両のみが主にイベント用として残るのみです。
こちらは数年前に撮影した写真で、キハ11の導入以前、旧型キハが何種類も使用されていました。
写真の編成で先頭を飾るのが件のキハ205。旧国鉄正統のキハ20形そのもので、水島臨海鉄道時代を経て入線しています。
こちらは水島臨海鉄道で現在も動態保存される同型車、キハ205の現役最後の頃の写真です。奇しくもひたちなかの現用車と同車番ですが、もちろん別個体。ひたちなかの方は移籍時に改番したもので、当時はキハ210だったそうです。
1950年代設計60年代製造という大変古い車両ですが、一機関かつ単行という使い勝手の良さから、多くの地方私鉄で使用されてきました。
ひたちなかではこのキハ205に加え、系列車キハ22形に相当するキハ2000形やキハ222形とともに長らく使用されていました。これらは国鉄由来ではなく、同型の私鉄発注車(留萠鉄道、羽幌炭礦鉄道)を出自としており、時には平成に入ってから新造したキハ3710形を加えて写真のような凹凸感のある混成編成を組成していました。
さてさてそんなひたちなか海浜鉄道のキハ205が今回入線しましたので、整備していきます。
製品はTOMIXからHG仕様での発売でした。地方私鉄の車両までこのように製品化されるとは良い時代です。いすみ鉄道のキハ52形とともにキハ20系列最後の生き残りということで、これからさらに注目が集まるのではないかと思います。
ボディを外しました。片側には貫通幌を取り付けるのですが、このように車番が印刷された渡り板を外して幌パーツを取り付ける方式でした。
幌パーツにも車番があれば良いのですが……さすがにそこまで求めるわけにはいきませんね。
ほか、屋根上のアンテナは穴開けから。ブタ鼻の前照灯脇にタイフォンを取り付ければパーツ類の取り付けは完了です。
付属のインレタです。今回再現する列車はワンマン仕様ではないので、付録の検査表記等のみを転写します。
細かいですが、形式表記と……
完成。毎度のことながら、大した作業はしていないのに「車両に命が入った」ような感覚になります。
単行は寂しいので連結相手もお迎えすることにしました。鉄コレのキハ3710形です。最寄りの模型店に在庫があったような気がしたので行ってみたら見事ビンゴ。
もちろん製品状態では連結できません。TNカプラーに交換したいのですが、スカートがダミーカプラーに取り付ける形なのでTN化するとスカートの取り付け方法に困ります。
そこでこんなものを用意。銀河モデルさんの3Dプリンター出力品です。例によって弟に外注して研磨と塗装をやってもらいました。
単体での写真を撮り忘れましたが、これでキハ205と連結できます。
さて、これらの作業は年末年始の繁忙期の合間に急ピッチで進めていたのですが、それには理由がありました。
実は12月初旬、私の母校の鉄研OB会が主催でひたちなか海浜鉄道の貸切運行を年始に行うことが急遽決まったため、そこで「キハ20 in キハ20」を実現させるための整備でした。
本来の予定では私も参加予定だったのですが直前に仕事が入ってしまい、車両だけが私の代わりに参戦となりました。
「ひるぜん代理」の出荷風景。
当日の朝、幹事さんに模型だけを託し、私は仕事へ……。
キハ3710形使用の定期列車にキハ205の貸切車両を連結しての運行。現地はたいへん盛り上がっていたとのことで、なによりでした。
当日の写真は参加された先輩による撮影です。ありがとうございます。
というわけで、新年最初の記事は少々不完全燃焼感の残る内容になってしまいましたが、こんな感じで今年もゆるりとやって参ります。どうぞ、今年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。